映画鑑賞の尖兵

話題の映画から怪しい映画まで とにかく体当たりレビューしてしまおうという試み

「エレベーター」 爆弾は実は2つあった

先日、結婚してる妹がニヤニヤしながらうちへやって来ました。

何だよ気持ち悪いなと言うと、「あんたテレビ出とったよ」と妹。そんな訳無いので事情を聞くと、仙台で傷害容疑で逮捕され取り調べ中に逃走したドイツ人、シューツ・ペトロ・ウラジミロヴィッチという容疑者が私にそっくりだというのです。

妹はよくそういう事を言うのですが、あんまり似てた試しがありません。私は普段テレビを殆ど観ませんのでネットでそのニュースを調べました。容疑者の名前からして、国籍はドイツでも人種的にはロシア寄りな中東みたいな、黒海とかカスピ海周辺の匂いがします。チェチェン共和国的な。

確かに私はどちらかというと濃い顔なので、中東っぽいとよく言われます。以前、テレビでアルカイダのニュースを見てたら自分そっくりの人がカラシニコフを担いでたり、エジプト特集で何たらとかいう王の彫像が私そっくりだった事も確かにあります。確かに、行きつけの散髪屋の主人に「いいヒゲ持っとるな。もう伸ばして整えた方がええぞ。タリバンじゃぁ」と毎回言われます。いいヒゲって褒められて喜んでいいのかいつも悩みます。

だからって・・・ねぇ?という半信半疑で写真を見たら激似でした。アップにしたらそうでもないですが、引くと確かに似てる・・・。眼鏡もカブってる感じだし・・・。最悪だ。何も悪いことしてないのに外出するのためらってしまいそう。ちなみに私はアゴは割れてません。

 

さて、今回も前回と同様に最近観た映画の話を。

 

エレベーター


映画『エレベーター』予告編 - YouTube

ソリッド・シチュエーション・スリラーとか言うんですよね。確か。あらすじとしてはある投資会社のパーティーへ出席するためにエレベーターに乗った男女9人がエレベーターに閉じ込められるお話です。

終始エレベーター内部のシーンだからかなり低予算っぽい映画です。エレベーターに閉じ込められた9人はそれぞれ、そのパーティーの主催者であるCEO、その孫である少女、社員二名、社員の恋人のアナウンサーの女性、妊婦、パーティーに呼ばれたコメディアン、イスラム圏の男性警備員、個人投資家のおばちゃん。

この9人、最初はCEOと社員以外何の関係もないような感じですが、段々と思わぬ関係も浮き彫りになって来たりします。とりあえず孫がどうかしています。閉じ込められるきっかけを作ったのも孫ですし。そしてあろうことかその閉じ込められたエレベーターの中で、ある一人が「爆弾を持っている」という衝撃の告白をします。

 多分その爆弾を持ってる人を言っちゃうと、勘の良い人は色々と分かってしまいそうだから言いません。ちなみにイスラムの警備員じゃないです。でもおもしろいですよね、もし警備員に爆弾を持たせる設定にすると、全く違うストーリーに分岐しそうです。9人それぞれに爆弾を持たせていくと9通りのストーリーが妄想できます。そういうのも映画の楽しみですね。

色々とツッコミどころの多い映画でした。結局その爆弾を何とか処理するという流れになっていくのですが、その方法が意外過ぎて笑えます。その発想は無かった(笑)その段階でCEOは完全にイッちゃてるんですが、その辺もなかなか笑えます。ダウンタウン松本氏が良く言ってますが、恐怖と笑いは紙一重なんだと思います。狂気と笑いもまた然り。ラストも私は笑ってしまいました。それってどうにかならなかったのか?と言いたいです。

私がこの映画で一番怖いと感じたのは孫の存在です。閉じ込められるきっかけを作り、その後もとんでもない事をしでかします。それは子供特有の無邪気さや無知から来るものですが、非常に怖かったです。妊婦がオシッコ我慢できなくてバッグにするシーンは良かったですね。妊婦は「恥なんてとっくに捨ててるし」とかいう台詞を言って全く気にしてないのですが、放尿後に孫が一言「臭い・・・」。彼女もまた色んな意味で爆弾だったのです。

恐怖と笑いの境界を微妙に笑い側へと外してしまった映画でしたね。でも私は色々と笑えたので楽しかったです。100点満点中67点くらいだと思います。

それではまた。