映画鑑賞の尖兵

話題の映画から怪しい映画まで とにかく体当たりレビューしてしまおうという試み

「プロメテウス」 予備知識ゼロで妙に得した気分


【映画】『プロメテウス』予告編2 - YouTube

 

よんどころのない事情のため随分と更新が滞りましたが存続します。

この映画劇場で観ようかなと思っていましたが、なにせ田舎暮らしなもので映画館に気軽に行けません。結局気付いたら終わってました。

そう遠くない未来。ある科学者カップルが古代遺跡の壁画に描かれた、それぞれ異なる時代のいくつかの文明に共通する星座の絵を発見し、これぞまさしく創造主から送られた、人類の起源の謎を解明する旅への招待状であると考えます。そして大企業がプロジェクトに出資し、選抜された科学者で構成された調査団は、宇宙船プロメテウス号でその星へ出発します。

私はコテコテの文系人間ですが、科学というものに非常に関心があったりします。一般向けに書かれた科学の本とか分かりもしないのについつい読んでしまって、よく熱を出してしまったりするのです(笑)寝る前についうっかり宇宙の事とか考えだして寝れなくなる事が今でもあったりします。

超ひも理論」の分厚い本も買って読みました。これはただ単に「超ひもてww」みたいなノリで買いました。この本もまた一般向けに可能な限り易しく書いてあるのですが、分からない事が多くてネットで色々と調べながら読み進めた結果、大袈裟ではなく人生観変わりましたね。

超ひも理論を理解するためには「相対性理論」と「量子力学」にも触れる必要があるのですが、この量子力学は驚愕の連続でした。特に「2重スリット実験」、「シュレディンガーの猫の思考実験」について知った時は、恐怖とも感動とも取れない奇妙な感情に一晩中支配されて一睡も出来なかった事を覚えています。想像を絶するほどに複雑な宇宙の中で、自分があまりに漠然と生きていたのだという事がとても怖かったからです。

まぁ結局「超ひも理論」については良く分からなかったんですが(笑)、量子力学はほんとにオススメです。面白いです。「量子テレポーテーション」とかもう名前だけでロマンがヤバいです。素人考えで恥ずかしいのですが、量子力学を基に宇宙を妄想していくと、もはや科学だけでは説明がつかず哲学的な部分も関係している気がしてなりません。って多分、私のような人間が多世界解釈へと向かうのでしょうね・・・・。

 

驚くほど脱線してしまいましたが、そんなロマンを求めてこの映画を鑑賞しました。人類の起源ってチョー気になりますし。だから、小難しい映画を想像していたのですがまたしても色々とツッコミたくなる映画でした。うーむ、正直もうツッコまなくてよい映画を観たい・・・。

もう色々とおかしいです。科学者が馬鹿すぎます。例の惑星に着いた一行は調査を始めるのですが、大気が地球と似てるからという理由で精査せずにノリでヘルメット取っちゃってテンションあがっちゃったり、数多くの優秀な人間の中から選抜されたはずの生物学者が、気味が悪い蛇みたいな未知の生命体にグイグイ接触を試みて殺されたり・・・。

「未来ではコンピュータへの依存が深刻化し、人類の平均的な知能が著しく低下してしまっているのだ!」みたいな裏設定を自前でひねり出さないと説明がつきそうにないお馬鹿が多いのです。「死因=お馬鹿」が殆どです。

なんかこう、もっとロマンがある映画だと思ってたのに、どんどんちょっとグロいクリーチャー映画みたいになって来ます。伏線というか、フラグとしてSF映画特有の超テクノロジーを駆使して製作された「全自動手術マシーン」が登場するのですが、これが笑えます。

色々あって子供ができない体であるショウ博士が急に妊娠してしまうのですが、実はお腹の中にはクリーチャーがいるという事が分かります。当然、これを取り出さなければならないという展開になって、手術マシーンに入るショウ博士。

レーザーメスみたいなものがお腹を開け、何とかクリーチャーを体外へ取り出す事に成功するのですが、手術の後処理が馬鹿デカイホッチキスみたいなので傷口数ヶ所留めて終わり(笑)絶対内蔵出るだろ!って感じです。でも術後すぐに痛そうにしながらも走り回るショウ博士がかなり笑えました。

その辺は未来の超テクノロジーなんだから、ホッチキス留めでも痛みは無いという設定にすればいいのに、ショウ博士が割と痛がってるもんだから、やっぱ痛いんじゃねぇかwって思ってしまってすごく可笑しかったです。

その他もよく分からん展開ばかりだったです。シャーリーズ・セロンの役も特に重要ではなかったし、出資した企業の死んでると思われてた会長も実は船に乗っててという展開もあるのですが全く面白くもないし。最後あっけなく殺されるし。恐らく乗船してたアンドロイドが何かを知ってるんだろうなと思いましたが、情報が少なすぎて訳分からんかったです。みどころが無かったです。

 

唯一救いがあるとすれば、最後の最後にえっ!っていう発見があった事。私は全く予備知識ゼロでこの映画を観たのですが、実はこの映画、あの「エイリアン」のプロローグだったんです。それで妙に得した気分になったり。

・・・で?というのが正直な感想ですが・・・。

 

個人的には30点位でした。